top of page

11月山根調査

 11月1日から7日にかけて岩手県久慈市へ合宿に行ってきました。今回の合宿は、一瞬一瞬に小さな幸せや楽しさが詰まっていて、川の水面がキラキラと輝いて流れていくみたいに美しく、楽しい合宿でした。洞窟探検はもちろんですが、ただお喋りして、景色を眺めているだけでも最高の時間でした。私は一日目に得部洞のアプローチ探し、二日目新失せ洞、三日目は地元のお祭りへ行った後に得部洞、四日目は中戸鎖洞とおっかない沢の穴、五日目に龍安沢の穴、六日目山狩り、そして最終日は中戸鎖洞、失せ水洞へ行って終わり、という行程でした。どの日も楽しかったので、すべての活動を書きたいなと思います。

 まず一日目は、得部洞探しから始まりました。枯れ沢の上にある洞窟だということで、斜面を見ながら洞窟に続いていそうな所はないか見ていきます。すると、いかにもこの先洞窟あるよ、と謳うような枯れ沢を発見し登り始めましたが、どんなに登ってもたどり着きません。途中で一休みして周りの景色を見ると遠くの山の頂と目線が一緒で、クラッとして転がり落ちてしまいそうで怖かったです。結局見 つからず、断念して宿舎へと帰りました。洞窟には入れず山登りで終わってしまいましたが、銭湯の電気風呂にショックを受けて、お風呂上りのアイスがおいしく、また夕飯の鍋のおいしさにも感動して新 鮮な一日でした。

 二日目は尋常でない寒さに震えながら起きました。東北の寒さをなめてはいけないと痛感しました。新失せ水洞は、入り口の前に浅い川が流れているのですが、昨日治水工事をしてくれた先輩方のおかげで洞窟には入ることができました。しかし、洞窟内も最近の大雨の影響で結構浸水していて、寒かったし地面が滑りやすくなっていたので大変だった覚えがあります。また、ちょっとしたクライミングや、高いところを降りなければいけないところもあり、私にとっては合宿中で一番ハードな洞窟でした。 

 三日目は地元の方に水車祭りがあるから来てね、とお誘い頂いていたので十時ごろからそのお祭りに行きました。大根が20円で売られていたり、アユやお汁粉などがあったり、舞台では神楽が舞われ、獅子舞に頭を噛んでもらったりとウキウキすることばかりでした。お汁粉みたいな食べ物でとてもおいしかったです。暖かい食べ物でおなかが満たされた後は、たたら製鉄の様子を見させてもらいました。たたら製鉄とは木炭と砂鉄を用いて鉄を作る昔ながらの製法で、南部鉄器の鉄に使われたりしているようです。コンクリートブロックの竈から吹き上げる炎は美しく、その炎と木炭から姿を現す真っ黒な鉄は、迫ってくるように力強かったです。お土産にということで鉄を頂くことができました。お祭りを存分に楽しんだ後は得部洞に再チャレンジしに行きました。無事たどり着いたのですが、洞窟入ってすぐの壁に苦戦しました。水が多いせいもあってかチムニーで中々登れず、唯一登れたのは一年生のN君だけでした。私はチムニー苦手なのでうらやましいです。

 四日目ですが、この日もワクワクして楽しかったです!中戸鎖洞というボートで探検する穴なのですが、まるでディズニーのアトラクションみたいでした。探検したのは短い距離なのですが、洞窟で一人ボートの上というのは初めてだったのでドキドキしたのを覚えています。誰もいないはずなのに人の声が聞こえて少し怖かったです。中戸鎖洞の次はおっかない沢の穴に行ったのですが、その前に地主さんの私有地で車の運転の練習をさせてもらいました。初めての運転で、私はあのサイドブレーキをガッコンとやるのが何となく憧れだったので実際にできて感動でした。おっかない沢は途中が水没していて進めず、途中で引き返してきました。この日はまた海の見えるダムを見たことが印象的でした。宿舎からお風呂や買い物に行くときに通る道にあるダムです。ダムを越えて町が見え、その先に海を眺めることができます。水陸両用車みたいなのが進む様子をずっと見ていて、平和な午後でした。   

 そして五日目は日大からKさんが来てくださって、一緒に龍安沢の穴に行きました。Kさんは料理がほんとに上手で、私が食事当番の時は味付けなど殆どお任せしてしまいました。また、龍安沢の穴は事前にやばいところだと聞いていましたが、噂通りやばかったです。匍匐前進でやっと進める箇所があるのですが、下がゴロゴロした礫でとても痛いです。もう一つのルートもあるのですがそっちのほうはより鬼畜で、途中でギブアップしました。この穴では少し測量をしたり、スケッチをしたりしました。

 六日目。この日は宝探しゲームでした。山狩りといって山を登って洞窟を見つけよう!というものです。紅葉がきれいで、ほとんどピクニックみたいな楽しいものでした。洞窟がありそうなところは数多く見つかったのですが、残念ながらお宝は見つかりませんでした。そしてとうとう最終日、この日は失せ水洞に行きました。体中ドロドロになって遊ぶのは本当に楽しいなと再確認しました。それから、宿舎に帰って川で洗濯している時がとても幸せでした。体中泥まみれになって遊んでから川でゆっくり洗濯をするほど素敵なことはないのではないかと思いました。

 今回の合宿では測量にはあまり参加できなかったですが多くの洞窟に入ることができ、またお祭りなど地元の方々とも交流できてすごく楽しかったです。年末年始にもまた山根に行くのですが、最近洞内 生物や洞窟の成り立ちなどに興味が出てきたので次回はもっと注意深く洞窟を見てみようと思います。長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。


✿管理人からの一言✿

 相変わらずワードセンスが素敵だ~。楽しく合宿に参加している様子が目に浮かびます(^^♪ チムニー…難しいよね。幹事長曰く、順調にスキルが上がってきているみたいだから頑張ってね!!


閲覧数:180回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2021年ちょうちん穴

Mくん 7月4日、日帰りで都内のちょうちん穴に行って来ました。都内と言っても決して都会ではなく、群馬県の飛び地と悪名高い八王子より更に西の奥多摩に位置する洞窟です。 近頃は御時世もありどこのサークルも(一部のアウトローを除き)活動には難儀している事だと思いますが、我々地底研究部もその御多分に洩れず洞窟に入ることが出来ない期間が続き、先輩方は恐らく脱洞窟の禁断症状でのたうち回ったことでしょう。 私は

bottom of page