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執筆者の写真地底研究部

夏上有住合宿

更新日:2019年2月2日


私たちは岩手県上有住へ8月8日から8月15日にかけて合宿をしに行きました。今回の合宿は、新入生が入ってから最初の大きな合宿だったため、洞窟探検技術の向上を目標としていました。かくいう私も、新入生で、また洞窟探検をする初めての機会だったので、合宿に参加する前から緊張とどきどきでいっぱいでした(笑)。私は8月10日から8月12日の探検に参加したので、それぞれの日に、どのような活動をしたかを綴っていきたいと思います。

―8月10日―

上有住には、洞窟が多くあります。そのなかでも3000m以上ある洞窟の中の1つのルートを探検しました。そのルートは、いくつもの道があり、ループが多いことなどから「迷路」と呼ばれています。

洞窟の入り口までの坂を上り、洞口に立つと、洞窟の中から冷たい風が吹き抜けてとても気持ちが良かったです。中に入ると、やはりひんやりとしていて、頭がしゃきっと引き締まるのが分かりました。前日の雨の影響もあり湿度が高く、天然のミスト?を顔面に大量に浴びながら奥へ奥へと進みました。最初は、ライトがないと本当に真っ暗で恐怖を感じていましたが、話をしながら歩いているうちに“楽しい”と感じるようになりました。そして、進んでいくと最初の難関が待ち受けていました。そこは、上方へと進む道で頭を岩の隙間につっこみ、足を岩へかけながら上るという方法をとる場所でした。しかし、私はヘルメットが大きすぎて、まず頭を入れることが出来ず、大苦戦してしまいました。今思うと、ものすごく焦っていたなあと思いますが、初めてだときっとそんなものなのかな?と思いますね。なんとか、上ることができて一安心♪と思っていたら、またまた、難所が現れました。幸いなことにその難所は、問題もなく通過成功しました。ここで分かったことは、やはり洞窟の形にも相性があるのだなあということでした。

難所が終わり、少し休憩、写真撮影をしてまた歩き始めました。ここからは測図を見ながら洞窟探検を始めました。その地点までは、先輩方が道案内をしてくれていましたが、ここからは、新入生が主体となって正解ルートを探がそう!タイムとなりました。前記していませんでしたが、私たちの班は5人中3人が新入生でした。ですから、3人で順番を交代しながら洞窟を探検し始めました。先頭を先輩と交代して、慣れない測図を何とか使ってひたすらあらゆるルートを進みました。(実は、最初に怪しんでいた穴が正解だったのですが気づかずに全部の穴を探していました。)なんやかんやあって、発見できた時は、もう本当にほっとしました。

迷路も後半に差し掛かり、正解ルートの先には沢山の蝙蝠が!!天井にはコウモリの赤ちゃんがおしくらまんじゅうをするみたいに身を寄せ合っていて、ものすごくかわいかったです。でも、コウモリの糞が沢山落ちているのを見て現実に引き戻されました。いくらかわいくても生き物ですから、仕方ないですね。先輩と先頭を交代して洞窟の案内をしてもらい、やっとこさ出洞!と、なるはずだったのですが、残念なことに最後の最後、先輩はコウモリの糞で滑って、着ていたつなぎの背中が糞まみれになっていました。ケガはなかったのでよかったですけど、見ていて怖かったです。ちょっと笑ってしまいましたが。

洞窟を出て、外の空気を吸ったとき、一番に感じたのは「生きてる!!」という謎の感情でした。おそらくこの瞬間に、私は洞窟のとりこになってしまったのだと思っています。そんなこんなで1日目終了!

―8月11日―

迷路とはまた異なるルート、“逆エイリアン”に挑戦しました。私は、前日に「どんな洞窟?」と周りに聞いていたのですが、「大変だよ」みたいなことを、言っていた人がいた…かは、定かではないのですが、とにかく大変だと思い込んでいて、全然寝ることができませんでした。加えて、5人中新入生が私しかいない+幹事長様がいるということで、たぶん合宿で一番緊張していました。

私は、この逆エイリアンに入って、一番むつかしいのはチムニーだと確信しました。(というか、洞窟で、ですね。)チムニーとは、うまく説明できませんが、洞窟で使用する技術の一つです。最初の難関がそのチムニーを使用するというものでした。ですが、持ち前の身体能力を最大限に生かして、使用していない方もいました。私は、途中でロープがなかったら帰宅民になっていたなあと思いながら登りました。そのような感じに、前半は上方に向かってずんずん上っていきました。そして、ひと段落したのちが、ドキドキの連続でした。キーホールパッセージや、またもやチムニー、石?岩?の階段etc…。逆エイリアンに、洞窟に入る前は「眠れなかったし、お偉いさんが沢山で…どうしよう」なんて思っていました。しかし、ドキドキとワクワクでアドレナリンが大量放出されていたのか、前日の疲労も感じないほどに逆エイリアンを楽しんでいました。

その後、また洞窟内を進んでいきました。少しすると先輩方が腰を下ろして、「行っておいで。」と言われたので、しばしの間、探検に出かけました。私は左方向が好きなので、左の穴を進みました。少し不安になり、先輩の一人を呼び寄せて、二人で探検開始しました。遠くに、残りの二人の先輩の歌声(確か、ゆずの栄光の架橋)と、まったく存在を感じさせない先輩1人(寝ていたらしい)を感じながら。進むと、急な坂のような場所につながっていました。坂は少しつるつるとした、なめらかな感じで、天井が高く直立できるくらいの高さがありました。私の身長はだいたい165cmくらいなので、そのくらいの高さですね。滑らないように気をつけて下方に進んでゆくと、先輩方の歌声が大きくなったので(近づいてなのか、サビ前だからかは不明)その方向に進行。先輩方の休憩地点に到着。ここからは、記憶が曖昧なのですが、いつの間にか某アニメキャラクターに似ている石やら、狭い隙間を通り抜けて、また頭がはまったり、人が詰まったりしつつ、最終フロアにたどり着きました。

最終フロア(私が勝手にそう思っているフロア)では、水が流れていました。私は水が好きだったので触って遊んだりしていました。幹事長様はトイレに行きたかったようで、はやく出たそうにしていました。洞窟はとても楽しいのですが、トイレがないのが欠点ですね。夏場は水分補給が大事ですけど、飲みすぎるとトイレに行きたくなってしまうし。あと、個人的に洞窟はトイレに行きたくなる温度な気がします。

なんやかんやで、2日目終了!

―8月12日―

この日は、合宿の中でもかなり大切だと思われる救命訓練が午前中に、午後は洞窟に行きたい者は行く、休みたい者は休むというメニューでした。

午前中の救命訓練は参加者を二手に分けて活動しました。救命訓練というと、自動車教習所で行うような、心肺蘇生?AED?なんて思っていました。忘れていました。私たちは洞窟に入っているということを。この救命訓練は洞窟内での事故を想定した特殊な救命訓練でした。地面は平らじゃないし、AEDもない。その場で電話も使えないし、自分の身の危険がないなんてことはあり得ない。普段体験できない活動をするということは、普段と異なった、考えられないような事故が起きるということです。そして、想定しなければいけない…。1日目、2日目は「楽しい!」なんてことしか考えていませんでした。しかし、“事故が起きるかもしれない”という最悪の想定を忘れてはいけないと強く感じました。

実際に、洞窟に入って同じチームの1人が滑落したという状況で救命訓練を行いました。ここでは詳しくは記しませんが、大事なことは一人一人が救命におけるきちんとした知識、冷静な判断力、そして、指示を待つだけでなく間違いや確認を忘れていないかなどきちんと注意する意識がなければいけないということです。そして、この訓練を1回で終わらせてはいけないと。事故想定は何回やっても無駄にならないものだと思いました。

午後になり、私は洞窟に入りたかったので「新開地に行きたーい!」と先輩に伝えて、1年生から4年生が一人ずついる4人グループで新開地へ向かいました。新開地は迷路、逆エイリアンとまた異なるルートです。このことから、3000mって長いのだなあと感じました。また、迷路、逆エイリアンは入り口と出口が異なっていましたが、新開地は洞窟に終点があって折り返して戻るというルートでした。

新開地では、ルンルンな気分で進むことができました。1日目、2日目はまだまだ緊張が強かったのですが、少し緊張がほぐれてきていたからだと思います。アップダウンが少ない代わりに、分岐がとても多くどちらが正解かよくわからなくなってしまうことがとても多かったです。ですが、間違ったルートの先に、きれいな鍾乳石や石柱があったりして、楽しむことができました。いくつかの分岐と狭い道の先に大きなホールがありました。どれぐらい大きいかというと、オーケストラの演奏会場くらい大きくて、広がり方もちょうどそのような感じでした。アリーナ、2階席、3階席みたいな。

最初はひたすら岩を上り、頂上から下方向をみてお話をしました。頂上の奥には生成物であるベーコン、カーテン、フローストーンなどが沢山ありました。上から、下に向かって歩きつつ、生成物であるストロー、石柱を観察したり写真を撮ったりしました。その中でも、下方にあるカルピスみたいな鍾乳石、石筍がとてもかわいかったです。小さいくて、ひっそりとたたずむ姿が何とも言い難い可愛さがあり、何より、愛おしそうに説明してくださった先輩がかわいかったです(笑)一通り、周り終わり洞窟を後にしました。

出洞して、この3日間でそれぞれ個性のある洞窟には入れてよかったなあと思いながら、泥だらけのつなぎを洗いに川へ行きました。1日目も2日目もそうでしたが、洞窟内は泥であふれているのでつなぎは元の色をかき消すほどに茶色に染まります。楽しかったね~と4人で話しながら洗濯をする時間はなごなごしていて、平和で癒されました。そんなことを話していると、先輩の一人が『せっかくだから、川に入りたい!』と言い、入水し始めました。普段ほわほわしている先輩が水の中に入ったことに驚きを感じながらも、なんだかんだ、4人全員水につかって泳いでいました(笑)まさか、洞窟に探検しに行って川に入ることになろうとは思いもしませんでしたが、それもまた良い思い出です。

来年も4人で入りたいね~なんてお話をして、3日目は終了!来年、実現出来たらうれしいな。

―8月13日―

帰宅日。3日間使用したあらゆる荷物をスーツケースに無理やり詰め込み、全体重で抑え込みました。スーツケースって凄い。あまりにもあっという間に時間が過ぎてしまって、「帰りたくない」と思いつつ、今回の合宿に参加してよかった!大満足!!と、思うことができて大変喜ばしかったです。

駅まで、見送りをしてもらい、電車に乗る。とうとう終わり。やっぱり、帰りはさみしいけど、“また行きたい”という気持ちがあふれていてうれしい。絶対また来るぞ!と思いながら上有住に別れを告げました。

今回の合宿では、新入生とも先輩ともお話ができてとてもよかったですし、何より洞窟が楽しすぎました。やっぱり、非日常的な体験は少年の心を取り戻させてくれるのですね。次の洞窟が楽しみです。

読んでいただきありがとうございました。次のブログの更新をお楽しみにしていただけたら幸いです。長文失礼いたしました。


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