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第十次 山根調査合宿(その2)

更新日:2018年12月6日

その2です!



[Dさん]

11月4日

6:00盛岡駅到着

6:30出発

9:00宿舎着

10:30得部洞・おっかない沢の穴班活動開始

15:20活動終了

15:40べっぴんの湯

17:30宿舎着

3:00就寝



朝は6:10着のバスで来たはずだが、なんと10分早く着いてしまった。ウキウキで北口付近に行くが連絡がこない。Yタクシーの出発連絡は来ているのだがどうしたものかと思っていたら寝過ごしたらしく、6:30頃北口の道路で合流・出発した。フル乗車の車内は盛り上がりまくっていて久しぶりに合宿に来たなぁという感じがした。

到着後、メンバー全員と合流。用意してくれたごはんにみそ汁の家庭的な朝食をとり、荷物整理をして出発した。本日の活動内容は俺のリクエストの得部洞とリクエストではないおっかない沢の穴だ。4mほどの登攀竪部の奥が見たくてたまらずに得部はお願いしたのだが、今回のメンバーの力量から無理と判断。竪装は家に置いてきて今回は作戦を考えることにしていた。いざ奥に入ってみると、初めの4mチムニーはやっぱり怖い。が、適当にこなして奥に進んでいくと、前掘った土が少し洗い流されているような感じが、、、嫌な予感がして最奥を覗いてみると、Mに掘ってもらった狭洞部分が10cmも泥のような土で埋もれていた。掘る道具もなく、絶望に打ちひしがれながらその場を後にした。

 さて、出洞し、次にどうするかと思っていたら、おっかない沢の穴はどうやらYのリクエストらしい。初めて入るらしいのでとても楽しみにしていたらしく、入ることにした。前回は謎に包まれた動物の死骸が3つほど転がっていて、奥から物音がするためあまり気の進まない洞窟だったなぁと思い出しながら入洞。戦々恐々としながら奥に進んでいくが、骨はあるのだが死骸の肉が見当たらない。とてもすっきりとしてしまっており拍子抜けしてしまった。前回物音がした最奥部分も特に音はなく、美しい青く透き通った地底湖が迎えてくれた。割と多い石筍を堪能してから帰路に就いた。途中かなり声が響くことに気付き、至る所から音が聞こえ、空洞が多いから反響しまくるのだなと感じ、物音の正体を暴いた気がした。

宿舎に戻ると鍋の夕食を食べ、宴会に突入。カラオケマシーンを使って3時まで騒ぎっぱなしだった。

11月5日

7:00起床

9:00大阪大学帰京

10:00新失せ水洞測量活動開始

16:40活動終了

17:00べっぴんの湯

19:20ユニバース

20:00Y、K帰京

21:00宿舎着

26:00就寝

Sが朝食の準備を終えてから起こしてもらい、飯を食べた。片づけを終え、準備をしていると阪大の人たちは一足先にレンタカーで仙台まで戻っていった。新失せは基線の測量は終わっているので基線を書き起こして車に乗り込み、新失せへ向かった。結構寒い気がしたが、装備が夏用の装備しかなく、簡易防水をしたダウンを最悪臭くなっても羽織る覚悟で持ち込んだ(持たせた)。いつものルートをぐんぐん進んでいき、それでも1時間20分くらいはかかりながらも最奥部の測量ポイントへやってきた。ここでT、Kと分かれ、T、T、Kは戻りながらスケッチを完成させていった。途中足が水没するポイントがあり、完全に足がびしょぬれになり凍えて眠りそうになるも、Kの一声でなんとか起きて終わらせた。その時点で既に15:00。やばいなーと思いつつも耳を澄ませてみると奥から叫び声がうっすらと聞こえてくる。時間も迫っているのにこれはまずいと思い、Kを残して辻と一緒に最奥部まで進んでみると元気に歩く二人がいた。どうしたのかと聞いてみると測量が終わって嬉しさのあまり叫んでいたらしい。人騒がせな奴らだなと呆れてしまったが、時間もやばいのでさっさと出洞した。タックルを二人に預けっぱなしだったのは悪かった気がする。

出洞するとS・M班が既に出洞して装備を洗っていたので自分も洗った。この時期はまだ寒くないので洗いやすく、最高だった。しかしべっぴんの湯に行くと足がピリピリしていて軽度の凍傷になっている気がして危険を感じた。

夜は酒を少し飲んで製図もやらずに就寝。だめな先輩の見本になってしまった。



11月6日

7:00起床

9:30山狩り活動開始

12:00活動終了

12:10べっぴんの湯(入らず)

12:30宿舎着

15:00宿舎発

16:20龍泉洞事務所着

18:20岩洞湖

19:30盛岡着

20:00ミライザカで酒盛り

22:50盛岡発・帰京

本日は山狩りとしてGPSの洞口確認を行った。どこに行くのかはよく聞いていないので分からなかったが、現地着。なんか既視感のある場所だと思ったら2年前に来たことがあるところだった。村井の水穴No.1と2、地面にぽっかり空いた洞窟、風の吹き出す場所が印象的な沢だったのでまた行けるのかと楽しみにして登った。が、なんと開拓が始まっていた!!沢は大量の打ち落とされた木の枝で塞がれ、水穴っぽいところは埋もれてしまっており、地面にあった洞窟は無くなっていた。もしくは見つけられなかった。風の吹き出す場所は見晴らしがそこまで良くなかった印象だったが、作業道ができていたので大分様子が変わっており、こうやって洞窟が無くなっていくのかと悲しみに暮れてしまった。

なんとかして洞窟だけでも守ることはできないのかと思ってしまった。

宿舎に着いてゆっくり掃除を行うと、14:30に出発したいとのお話があったため、その時間に向けて準備をした。だがゴミ捨てをお願いされてしまったため30分遅れでの出発となってしまった。少し早く出発したのは龍泉洞事務所にポケコンを返却するためであったが、せっかく来たのだから志たあめや、上あめやに寄ってみたかったためである。

Y、T、T、S、Kの5人は龍泉洞事務所に着くと、時間があるので入ってもOKというYの許可が出たのでたぶん5回目の岩泉にして初めての龍泉洞に入った。洞窟内は30m以上の深さのプールとそれを中から照らす巨大な照明、木で洞窟の形に沿って組まれた足場と、他の観光洞には無いとてつもなく壮大な洞窟で心臓が爆散しそうになるほどの衝撃を受けてしまった。



出洞してからはすぐ近くのうれいら商店街に行き、いつも通り二つのあめやさんでかりんとうと初の試みで持ち帰り用にホルモン鍋の素を購入し、盛岡へ戻った。途中岩洞湖でおにぎりを買ったがとても美味い!!更にTのリピーター発言のおかげか、売店のおばちゃんから売れ残りのドーナツを全員分頂くことができた。これもとてもおいしかった。

なんとか時間ギリギリに盛岡に到着し、居酒屋で盛岡冷麺と少し酒を煽って夜行バスで帰京した。






[Eさん]

得部洞はすてきな洞窟だ。

 すばらしいのではなく、すてき、なのは、壮大さや総距離では各地の洞窟の足元にも及ばないからだ。しかし得部洞はすてきなのだ。

 ちんまりとした洞口、3mチムニー、立体交差、生成物はないが中々に心踊る文言ではないだろうか。長々としたアプローチはゆくゆく気持ちを昂ぶらせ、帰路は重力を教えてくれる。


 人は言う。得部は出オチ。アプローチは長げぇ。の割に洞窟は狭い。一回行けばお腹いっぱい。

 しかしながら、そんな評価は私の得部への愛を阻むだろうか。否である。アプローチを登り、洞口にときめき、チムニーを越える達成を味わい、上下ルートを選ぶ楽しみ、すぐ到達する最奥、またも選ぶ上下ルート、クライマックスはチムニーの下りである。疲れた体には滑り台が如くアプローチが沁み渡る。得部を訪れぬ者はこの楽しみも苦しみも、ここで流された涙すら知らず、山根を去るのである。

 得部洞は洞窟自体の魅力こそ他に劣るが、それは得部洞の価値を下げることにはならない。

 得部洞は総合芸術なのだ。

 富士急と○DLの話をしたい。

T○Lのアトラクションはそれ単体では富士急に遠く及ばない。しかしながら、TDLはトキメキが商品なのだ。

 もっと言えばTDLはお子様ランチなのだ。黒毛和牛100ハンバーグ(どっかん とはコンセプトも客層も異なる。

 もう一度言いたい。

 得部洞は総合芸術である。






[Fさん]

 今回で参加3回目の山根合宿。1日目は「新失せ水洞」の探検である。今回の合宿では、山狩り(新洞探索)班を希望したのだから仕方ない事ではあるが、今日の探検と明日午前の救命訓練でしか洞窟には入らない。そして、その2日入ると「新失せ水洞」に通算8回目の入洞!!!



自分は全然測量をしていないのに、何故こんなに同じ洞窟ばかり入っているのだろう?と思いつつ、貴重な洞窟を楽しみに山根へ車を進めてもらう。早朝に盛岡の街をぶらぶらして紅葉を見ていたが、山根町に入るとより真っ赤に映えた紅葉が待ち構えていた。心もスッキリしたところで「新失せ水洞」に到着。とその前に、「水穴」を見たいとせがまれたので、7人を引き連れて洞口まで歩いていく。「水穴」は洞口が立派であるが、流木や落ち葉が堆積していることで洞内はほとんど入れない。是非とも掃除をして入洞したいと思い続けて早1年。未だ実現していない。

案内はさっさと終わらせ洞窟へ、と思うが洞窟に入り込む水の量が増えている。毎度の治水工事を行い、少々水量を減らして、いざ入洞。洞内は2月に入った時と変化はなさそうである。しいて言えば、水が入り込んでいた事によって空気が比較的澄んでいるぐらいか。時間も迫っているので、2月に測量した所まで行って引き返した。帰りは蝙蝠穴から出洞する。こちらは一度も行ったことが無いので、案内して貰いながら進んで行く。洞口付近が非常に狭く、もう行きたくないと思った。

2日目は救命訓練!は、置いといて今回も傷病者役でした。皆さん動きが良くなっていたので、毎回の合宿で訓練を行う意義が感じられた。(当の本人が一番やばいかも・・・)訓練が終わり暇なので、探検したいと言う1年生についていく。時間も無いので「あきらめの間」まで行ったが、帰りの分岐で皆迷うようである。上有住の迷路でもそうだが、迷っている人を見ているのはとても楽しい。

冗談はさておき、出洞して昼飯を食べて、午後からは山狩り。でも、林道の前で気付いてしまった。地形図とプロット図を宿舎に置いてきた・・・。仕方ないので、手元のGPSと記憶を頼りに活動開始。傾斜60~80度の斜面を登るが、洞窟が見当たらない。結局、発見出来ず疲れだけ増やして帰還。

3日目からは本格的に山狩り。ガタガタの山道を車で登って貰い、集落に着くも人は住んでいない。



情報を聞き出せないまま山籠りを始める。ドリーネという石灰岩地帯特有の地形を見る為に、尾根を登ると予想通りドリーネが。ってあれっ、何か穴が開いてる。中に入ってもらうと3mちょっとはあるようだ。やったー!新洞発見。近くにもう一つあったので一気に二つ発見。何と幸先の良い事。

 先へ進むと10mクラスのドリーネもあり、ワクワクしながらハイキングしていると、また穴が開いているとの事。こちらは5m超の長さがあり、その場で命名もした。気分良くなってドリーネで1時間寝てしまった。やばいやばい。まだ調査する所あるのに。慌てて下山すると、行きに2時間20分かかった所を25分で下ってきてしまった。

 川沿いの道で洞窟探しをしてから、本題の調査地へ急ぐ。既に陽が沈みかけているので、急いで沢を渡って探索するが見つからない。二班に分けて調査していたのでもう一班の方に進捗を聞くが、班員を一人見失ったと言う。仕方ないので、自分は沢の対岸の県道に戻って目視確認をする。全員洞窟に入る格好なので、ヘッドライトを点ければすぐに分かる。さて下からも発見し、捜索隊も落ち合えたようだ。時間が迫っているので早く下山してほしいのに、笑い声だけが聞こえて下山してこない。こちらから大声で叫んでも、200m以上離れているので聞こえているはずがない。皆が下山した頃には真っ暗になっていた。問い詰めてみると、洞窟を3つも発見したようで、興奮のあまり遅くなってしまったとの事。

 まあ、みんな盛り上がっているし、怒られるのは自分だし。詳しく洞窟の話を聞かせて貰う事にした。

4日目は、まずべっぴんの湯近くの洞窟を探しに行く。いつもの宿舎から近いのに、今まで誰も調査していない。まずは足元を固めないと、という事で調査を開始する。早速沢が見つかるが、洞窟が見当たらない。1時間半探したが見つける事は出来なかった。まあ宿舎から近いし、今度じっくり探してみよう。

 昨日時間切れとなってしまった洞窟の、詳細な調査をする事にした。100m進んで100m上がる枯れ沢を詰め、尾根から下りながら洞窟を探す戦法を取る。早速、1つ目。5m進んで2つ目。ここが主の洞窟のようだ。10m下りて3つ目。5m降りて4つ目。あれっ、昨日は3つ見つけたのに。また増えちゃった。2日で見つけた4つの洞窟のうち1つは既知の洞窟だから、3つが新洞!!!

 またもルンルンになりながら下山した。




5日目は沢登り。ではなく沢を登って新洞探索。いきなり渡る橋を間違える初動ミスはあったが、沢の入り口に到着。石灰岩の立派な沢が続いているから、これは期待。今まで見た事ないくらい立派な沢なので、所々迂回しながら進んで行く。でも見つからない。

 沢の終点付近まで来てしまったので、ここで切り上げ早々と下り始める。こんな日もあるさ、と思いながら、15時には温泉の客となった。

 さて、最終日。午前中しか活動出来ないので、先輩方が行った事ある場所で、自分が行っていない水穴の確認をする事にした。移動中に、標高が高く紅葉が見渡せる場所があった。思えば山根に居た6日間全て快晴であった。晴れ男の本領発揮と言ったところだろうか。洞窟と違って山狩りの時は一日中外に居るので、晴れが続くのは非常にありがたい。お天道様に感謝である。

 車を降りて林道を歩き、目的の水穴へ。と言いたいところだが、伐採された枝木が大量に沢に捨てられていて、水穴も埋まっているではないか。以前来た事のあるT先輩も非常に悲しそうにしていたのが印象的であった。

 今回は、7個もの新洞を発見した。流石に100mある洞窟ではないが、本格的に調査を始めていきなりこの結果は希望が持てる。測量する人達が手持ち無沙汰にならないように、これからも洞窟を見つけていこうと思った、実りのある合宿であった。


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